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第1章:マグロキャスティングは日本発祥の釣り──アニメに次ぐ第三の文化輸出

マグロ!本気コラム

はじめに

2024年、日本のアニメ産業の市場規模は3兆8,446億円(約252億ドル)に達しました。日本が世界に誇る文化輸出といえば、まずアニメ、そして寿司やラーメンといった食文化が思い浮かぶでしょう。しかし今、第三の文化輸出として世界に広がりつつあるものがあります。それが「マグロキャスティング」。日本語では「マグロキャスティング」、英語圏では「Tuna Casting」と呼ばれるこの釣りは、約32年前に日本の青森県で生まれました。

始まり──佐藤偉知郎氏の挑戦

マグロキャスティングの歴史は、一人の釣り人から始まりました。佐藤偉知郎(さとう いちろう)氏。青森県在住の同氏は、約32年前(Anglers Time 2026年インタビュー時点)、まだ誰もやっていなかった「ルアーでマグロを釣る」という挑戦を始めました。当時、マグロといえば漁師が延縄や一本釣りで獲るもの。ルアーを投げてマグロを釣るという発想自体が存在していませんでした。

佐藤氏は陸奥湾や久六島周辺の海域で試行錯誤を重ね、最初の数年間は、まったく釣れませんでした。マグロがルアーに反応するのかすらわからない、手探りの日々が続きました。

3年目のシーズン、7月2日

転機は3年目のシーズンに訪れました。佐藤氏はサクラマス用の140モデルミノー(28 g)を改造し、60 gまで重くしたルアーを作りました。そして7月2日、ついに2本のクロマグロ(いずれも約20 kg)をキャッチすることに成功したのです。世界で初めて、ルアーのキャスティングでクロマグロが釣れた瞬間だったのです。

道具がない時代

当時、マグロキャスティング専用の道具は一切存在しませんでした。ロッドは既存のものを流用するか、自分で改造するしかない状況。リールは海外製を取り寄せ、PEラインはまだ強度が不安定で、大型マグロとのファイト中にラインが切れることも珍しくありませんでした。

この状況を変えるため、佐藤氏は自らロッドの開発に乗り出しました。それが現在のSOULS(ソウルズ)ブランドの始まりです。「一切の妥協を許さず、コストパフォーマンスも度外視して、純粋に機能と性能を最大限に追求する」という理念のもと、マグロキャスティング専用ロッドが生まれました。現在のSOULSレベルシリーズはPE6号からPE14号まで9機種、アシュラシリーズはアメリカ遠征でモンスタークラスの実績があります。(参考:SOULS SALT RODシリーズ

100 kgの壁

道具の進化とともに、記録も塗り替えられていく。2008年7月、佐藤氏は98 kgのクロマグロをキャッチ。100 kgの壁に迫ったのです。そして同年9月、131.5 kgを記録。翌2009年には自己最高記録となる186 kgのクロマグロをキャスティングで仕留めました。(参考:バリバス 佐藤偉知郎氏タックル論ダイワ 25SALTIGA

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マグロ資源の問題

マグロキャスティングの広がりとともに、資源管理の問題も浮上しています。2025年4月〜2026年3月の遊漁規制では、年間総枠60トン、月間上限5トン(9月以降は3トンに縮小)が設定されました。30 kg未満のクロマグロは通年採捕禁止、30 kg以上は1人1か月1尾まで、釣獲報告は1日以内に行う義務があります。(参考:Anglers Time

国内への広がり

青森で生まれたマグロキャスティングは、やがて日本各地に広がっていきました。

玄界灘では、かつてマグロ7割・ヒラマサ3割だった釣果比率が、近年はヒラマサ9割に変化しています。(参考:サンライズ玄界灘

相模湾では2007年頃からキハダマグロのキャスティングが本格化し、現在は関東最大のマグロキャスティングフィールドとなっています。

京都・丹後半島では2022年頃から100 kgを超えるクロマグロのキャスティング実績が出始めました。

茨城・大洗沖では177 kgのクロマグロ記録。

北海道では津軽海峡から積丹半島にかけて、夏場のマグロキャスティングが年々活発化。

沖縄・久米島ではパヤオ(浮き漁礁)周辺で30 kgクラスのキハダマグロが狙えます。

そして世界へ

現在、マグロキャスティングは25以上の国と地域で行われています。アメリカ東海岸(ケープコッド、ノースカロライナ)、カナダ(プリンスエドワード島、ノバスコシア)、地中海沿岸諸国(スペイン、フランス、イタリア、クロアチア)、オーストラリア(ポートリンカーン)など、世界中の海でアングラーがマグロにルアーを投げています。そして驚くべきことに、その多くが日本製のタックルを使っているのです。なぜ日本製が多いのか──それは第2章で詳しく解説します。

あとがき

約32年前、青森の海で一人の釣り人が始めた挑戦。それが今、世界25以上の国と地域に広がっています。アニメや食文化に続く、日本発の第三の文化輸出。マグロキャスティングの物語は、まだ始まったばかり。

参考ソース

ソースURL
Anglers Time 佐藤偉知郎氏インタビューanglers-time.com/7672/
バリバス 佐藤偉知郎氏タックル論varivas.co.jp(マグロキャスティング)
サンライズ玄界灘 マグロの歴史sunrise.genkainada.jp/6592/
SOULS公式サイトsouls.jp
SOULS SALT RODsouls.jp/products/salt-rod/
ダイワ 25SALTIGAdaiwa.com(25SALTIGA)

次回:第2章「なぜマグロキャスティングの道具は日本製が多いのか」

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